6.感情分析の進行過程
6.2 感情分析の基本的進行過程
(1)自己内面への取り組み意志
(2)人間観の変革
(3)演技心性の放棄
(4)内面感情への直面
(5)感情の構図の把握
(6)生き方の再確認
(7)葛藤の自覚
(8)自己操縦心性の破綻
(9)効率的治癒の進行(好循環)へ
ここではハイブリッド療法のスタート地点に立つところから始めて、最終的な根本治癒にいたるまでの進行過程を考えたいと思います。
前節で述べたように、進行により内面状況は大きく変化します。
そのそれぞれで特に自覚すべき内面感情や、心構えもそれぞれの段階に応じたものがあります。
したがって、やみくもに自己分析をしようとするのではなく、この進行過程を踏まえることが大切になると考えています。
この感情分析を始めとして、精神分析というのは基本的にとても難しい作業です。
本来は分析家と呼ばれる専門家の援助の下で行うのが理想的ですが、今日においてはそれもあまり現実的ではありません。
ひとつは分析家が少ないこと、そして費用が大きくなってしまうこと、という外的側面。
もうひとつは、結局内面感情を直接知るのはその人自身でしかありませんので、分析家による援助よりも自己分析の方が優る可能性もかなり大きいという内的側面です。
以下で説明する進行過程は、ホーナイによる説明を基盤にして、私自身の体験、そしてハイブリッド療法として新たに理論整理した結論を、総合してまとめたものです。
ハイブリッド療法、そして感情分析の実践上、この進行過程は単にそうゆう段階があるということだけでなく、各段階を経ないと、次の段階には進めない、というクリティカルなものです。
現在は以下9段階を考えています。
私の今後の研究の大部分は、この進行過程と各段階の進め方をより詳細に整理することに当てたいと思っています。
ここに示すのは必ずしも完成版ではない点ご了承下さい。
それぞれ簡潔な説明を載せます。
以下の進行段階で、(1)(2)は、そもそもハイブリッド療法に入るかどうかという通過ポイントです。
(3)から(8)が、本格的治療過程のひとくくりです。
この過程が治癒を決すると共に、困難な過程です。
「ハイブリッド心理療法とは」の3.進め方の概要の図に示すように、この段階は健康な心をつかさどる「真の自己」がまだ十分に育っていない中で行わなければなりません。
つまり健康な心になろうとして、感情分析を進める行動や意欲そのものが、病んだ自己操縦心性の上で動くというパラドックス的な姿勢の中で進行しますので、非常に不安定な様相になります。
「感情分析によって自分を変えようとする」こと自体が、とんでもない間違いだという感情や、逆にそれによって自分は比類なき健全な人格の体現者となり世界から称賛される、と言った不合理な感情などが湧き起るでしょう。
この不安定な過程の中で、一貫して拠り所となる「理性」と「思考」を、先に「自己建設型」の生き方として学び、碇を岸辺にしっかりと降ろしておくことが必要なゆえんです。
(8)の段階で、最初の本格的な、かつ最大の治癒ポイントとなる「自己操縦心性の除去」が起きると考えています。
これは真の自己が力を得て、自己操縦心性が駆逐されるのでなく、一度自己操縦心性が崩壊して、去った部分を真の自己が埋めるように自然成長力を回復する、という形になります。
このため、この際は巨大な絶望感やパニックが起きますので、先にこれを知っておき耐える心構えが大切です。
このようにして一度真の自己が成長すると、後の過程は安定した心の土台の上で行えますので、遥かに容易になります。
以降は(4)から(8)の過程の繰り返しです。
感情分析の過程が人格を成長させ、成長した人格が感情分析をより容易にする、という好循環が回り始めます。
(1)自己内面への取り組み意志
(2)人間観の変革
(3)演技心性の放棄
(4)内面感情への直面
(5)感情の構図の把握
(6)生き方の再確認
(7)葛藤の自覚
(8)自己操縦心性の破綻
(9)効率的治癒の進行(好循環)へ
2003.6.27