島野の心理構造理論

はじめに

 ここでは、ハイブッリット療法の考えの基礎となるような、幾つかの考察を収録します。

1.心理障害への心理学的アプローチ

 心理障害を「病気」としてではなく、「心理」の現象として捉える考え方を説明します。
 重視しているのは、「気分の変化」だけではない、「人格状態の変化」があるということです。
 心理障害への取り組みとしても、現状の人格を維持したままの気分の改善を図るのではなく、人格そのものの改善成長を目的にすることを考えます。

2.感情と人格の成り立ち(心理構造理論)

 人格に改善変化があるということは、「人格に構造がある」ということです。
 この考え方によって分析科学的な理解への可能性が生まれます。

 ここでは、人間の一般的心理構造、そして心理障害の姿を踏まえて、島野独自の人格構造の考えを説明します。

 健全な心理状態においては、人格はひとまとまりのものです。
 心理障害においては、これに別の構造的要素が加わります。それは人格内に分離や矛盾や衝突が起きるという現象につながるものです。
 心理障害において加わる要素は「感情の膿」と「自己操縦心性」と呼んでいます。
 一方、それに圧迫された、本来の健全な要素を「真の自己」と呼んでいます。

3.治癒への取り組み

 これは「ハイブリット療法」の、心理療法全体における位置付けや特徴の面について考察したものです。
 「ハイブリット療法」と命名する前の原稿のため、全体を「合理的自己取り組み」、自己建設型の生き方について「感情改善の基礎」と呼んでいる箇所があります。

 インフォームド・コンセプトという観点からの考察ですが、表現はちょっと堅苦しいかも知れません。

付 感情の科学論

 ハイブリット療法の考え方、また精神分析の理論などが、科学においてどう扱い得るのかを考察します。
 現代科学において意識がどう扱われているのか、というテーマに関する概説も行います。

 「主観的意識」は現代科学においては、量子力学の中で理論そのものに組み込まれます。
 人間の意識は脳によりつかさどられていますが、その実体は電気興奮であり、量子論的現象です。
 ここから意識とは何かという問いに量子論的観点からの島野の仮説を説明します。
 また人間意識と生命相対性理論や量子宇宙論との関係を一考します。

 これらの科学観を踏まえ、心理学を「主観的体験の科学」であると位置付けたいと思っています。


2003.7.19